クモ隊:ハエトリグモ観察
2023キラコ班の三隊員は元気です。オスの隊員、通称おにいちゃんは、お狩り場での狩りに終日夢中です。最初はカゴの編み目の中で寝泊まりしていましたが、最近はお狩り場の土に刺してある二本の棒の間にハンモックを作って寝ます。 おにいちゃんはだんだん夜…
日曜21時からのTVドラマ『VIVANT』面白いですね。「これはいったい、どういうことなのか」と好奇心をそそられながら、お話を追いたくなってしまいます。予算も結構大きいんだろうなと思えるところも、私にとってはいい感じです。日本の映像作品を見ていると…
「女子の部屋に男子が」という文言が思い起こさせる緊張感。キャー、変態、ストーカー。愛だ平和だ統合だと言いつつも、生物がオスとメスとに二分化されていることを痛感します。 人間は、知らずしらずのうちにでも、理性や知性を総合的に働かせ、どうにかう…
忘れた頃に、もう一匹のキラ子が姿を現しました。最後に目撃したエリアのすぐ近くです。この隊員も脱皮をしていたのか、実体がわかりました。オスです。 7月末に登場した時、この隊員はほんの赤子。どれだけ虫眼鏡で観察しても、はっきりとしたオスらしさが…
昼間は狩りに失敗して遠征に出かけたキラ子は、8pmの就寝時間になっても戻ってきませんでした。こんな日もあるかと思っていましたが、9pm過ぎに姿を現した時は「やったぁ」と思いました。日々の儀式と化していた、就寝のためのハウス設営が再び展開するので…
脱皮後のキラ子は頭部がやや透明がかっていたように見えましたが、一夜明けてみると、色は濃くしっかりとなりました。妙におとなしかったのは、キラ子にとっての新しい体と新しい世界の序章だったからかもしれません。 それとシンクロするかのように、私も早…
今夜はスーパームーンとのことですが、キラ子が怯えたように隠れ続けているので月を無視することにしました。非常に活動的な隊員のはずですが、挙動が不審です。 ハエトリグモは災害を予知するのか? 何が関係しているのかは、まだわかりません。とりあえず…
外での仕事から戻るとキラ子は朝いた場所と同じエリアにいました。ほとんど動かず、じっと正面を見ています。そのまま何時間も過ごし、夜にゆっくりとハウスのエリアにやってきました。 今日はどこで寝るのかと思って観察していると、ぽてっと、二度も床に落…
再び姿を消していたキラ子は、どうやら脱皮したようでした。昨夜は呆然とした様子で動かず、Fのカゴにずっと留まっていたため、もしかしたらこれは抜け殻かもしれない、とすら思うほどでした。照明を暗くしても、動く様子がなかったのです。 朝になると、少…
4日間ほどキラ子の姿が見えないなと思っていたら、今朝、テレビ台の裏から出てきました。周囲の様子をじっとうかがっているようです。 姿を消す前の夜は、たまたま私の友人が遊びに来ていました。夜10時を過ぎてもハウスに入らず、隠れたり現れたりをくり返…
なおも今、キラ子は少しずつ場所を変えて物陰に潜み、お狩り場の植木鉢周辺を見張っています。彼女なりの思考と計算があるのでしょう。この粘り強さと慎重さは、私のヒーリング技術に深い影響を与えます。 すぐに治ることを期待したり、状況が好転することを…
キラ子は東の最端、Fのカゴを拠点にしました。昨日は突然、テレビのモニターの裏から現れました。水平方向の探索が済んだら、今度は垂直方向へとエリアを拡大するのでしょう。 お狩り場の植木鉢をF地区の手前のスペースに移動してみると、姿を隠しながら慎重…
一日に80cmずつ進んでAからFのカゴを制覇し、キラ子はFのカゴにハウスを設営して爆睡中です。この、おやすみタイムを観察するのが至福のひとときになりましたが、はて、F地区まで手中に収めた後、彼女はどうするのでしょう。ドキドキです。
夜10時になり、もうそろそろ、と思って虫眼鏡を手に近づくと、キラ子は「あっ」というふうに、即座に編み目の中にもぐり込みました。結局は、そこの編み目をハウスにしようと決めていたようです。まだ眠りたくなくて外に出ていたのか。 気のせいかもしれませ…
部屋にはA、B、C、D、E、Fの五つのカゴが並んでいます。カゴAはお狩り場に直結。そこから東方面へ、カゴはくの字型のように並べてあります。 今日のキラ子はEのカゴ周辺をメインに探検をしていました。餌を探すというよりも、侵入者を警戒しつつ縄張りを拡張…
朝日が差すとキラ子は起床して活動を始めました。生活態度としては優等生です。待機している場所を観察していると、広い目線でエリア全体を見ようとしているようです。今日の活動範囲は昨日の地点よりもさらに東。80cmほど進みました。 このようにして、自分…
夜になると、またキラ子はカゴの編み目くぐりを始めました。にゅるんと隙間に入り、またにゅるんと出てくる様子は何度見ても笑えます。8pm頃からお尻をクイクイして寝床を作り、就寝の準備完了。 キラ子は寝ました。ですので私はようやく、その周辺の掃除が…
翌朝キラ子はハウスから出ると、昨日と同じ東(正確には東南)の経路を進みました。そして昨日とほぼ同じ、お狩り場東端から約50cmのところでピタリと止まり、暗いエリアを見張っています。 昨日の深夜、私はふと思い立ち、東の経路を綿棒で丁寧に拭き、さら…
今晩もキラ子はカゴの編み目にもぐり込みました。昨晩とは違う、カゴの端っこに近いところです。 よし! と張り切って観察していると、今回はなかなか出てきません。そのうちに、クイクイとお尻が動く様子だけが、隙間から見えました。糸を張っています。 ――…
体についた土をぬぐってから寝床に向かうという、きわめて文化的な習慣。それをキラ子が生来の感覚としてもっているかもしれないことは、私にとって新たな大発見でした。 もちろん、別の理由で編み目をくぐり抜けている可能性はあります。今夜も目を離さずに…
そして今日もたっぷり13時間ほど狩りに興じた後、キラ子はハウスに帰っていきました。9pmから約20分かけての移動です。 お狩り場の植木鉢と、住居エリアのカゴ&小物入れとの間に10cm強の隙間があります。さっさと跳んで渡るかと思いきや、しばらく逡巡し、…
台風が和歌山に上陸した朝も、キラ子は優雅にお狩り場で活動を始めました。すくすくと育っています。まだ子どもの隊員なので観察のしがいがあり、この備忘録的な記事も更新の頻度がやや上がります。 婚約者は来るのだろうか。それまでは、ひたすら自分の生活…
早朝からずっと狩りに熱中して疲れたのか、おなかがいっぱいになったのか、今夜のキラ子は8:45pmに自ら"ハウス"へと向かいました。ハウス。小物入れの蓋の留め具を差し込むループのところです。 ペットの犬に「ハウス!」と命じると小屋やケージに入ったりし…
丸一日と半日、高所からくまなくお狩り場を視察したキラ子は新たな行動に出ました。ついに土の上に降り立ったのです。虫眼鏡で覗き込む土の世界はエキサイティングなジオラマさながら、起伏や凹凸に富んだその光景。 まるで怪獣映画のようなそれに溶け込むよ…
私によって"元ヤンキーのお嬢様"という妙な称号を与えられたキラ子でしたが、昨日も今日も勤勉に生活している姿が観測されました。 昨年のぴょこたん隊員は部屋の照明がついている限り起きていましたが、昨日のキラ子は夜7時過ぎに寝床に入りました。昨日の…
お狩り場エリアに放たれたキラ子は見事な変化を見せました。夜はさっさと小物入れのフタを留めるループの中に入って休息し、明け方にはもう小物入れの外に出て、お狩り場の土を見下ろしています。その姿は真剣そのものでした。 昨日、キッチンからキラ子を連…
キッチンの窓にアリがいると思ったらキラ子でした。日が暮れるまで長い時間がある夏の午後、つまり白昼に堂々と、しかも私の目の高さで、キラ子は明るい外光を楽しんでいるかのように見えました。 ――何を考えているんだ。ありえん。 私が知らないだけで、代…
電源コードを伝って歩く姿を見て以来、キラ子と会っていません。でも、 ――やつは必ず戻ってくる。 毎年の観察に基づき、私はそう判断しました。秋に向けての充実期、私の仕事部屋で過ごそうと決めているメスの隊員が、代々いるようなのです。それは、なんと…
昨夜から今朝にかけて、キラ子はいろいろな電源コードに登り、そろりそろりと歩いたり止まったりしていました。 私から見ると細いコードであっても、キラ子にしてみれば高速道路か万里の長城のように見えるでしょう。彼女にとっては見晴らしがよく、危険が迫…
あと1時間でお客さまがいらっしゃるという時に、ふと見ると、キラ子が近くまで寄ってきていたのに気づいてゾッとしました。わざわざ目立とうとするかのように、白い電源コードの上に留まっています。 「危ないよ。何をしているの」 声をかけ、周辺にミニ掃除…