そして今日もたっぷり13時間ほど狩りに興じた後、キラ子はハウスに帰っていきました。9pmから約20分かけての移動です。
お狩り場の植木鉢と、住居エリアのカゴ&小物入れとの間に10cm強の隙間があります。さっさと跳んで渡るかと思いきや、しばらく逡巡し、植木鉢のへりのところで一度ジャンプの練習をするキラ子。まだまだ子どもです。
そんな短距離の移動に20分以上もかかっていたのは、ジャンプに躊躇していたことと、なぜか歩くのが非常にゆっくりなことの他に、奇妙な行動をしていたからです。ハウスがある小物入れの下にあるカゴの、細い編み目の隙間に入り込み、ゆ~っくりとくぐり抜けることを二度、やっていたのです。
それはあたかも、洗車機をくぐり抜ける自動車であるかのように見えました。これって、つまり、
――キラ子は体についた土埃を落としてからハウスに帰っている?!
というのも、くぐり抜ける速度がいやにゆっくりで、しかも、なんとなく気持ちよさそうなのです。二日ほど前にも、確かそんな動きをしていました。今日ずっと観察したところ、一度目は右から左へニュル~っとくぐり抜け、次は方向を変えて左から右。
お狩り場で一日を過ごしたキラ子は土まみれのはずです。その土をぬぐってから寝床に入りたいと考えるのも、不思議ではありません。カゴの編み目の隙間は、彼女が体をこすり付けるにはお誂え向きのサイズと素材。
"寝る前にボディ洗浄"の仮説を裏付けるかのように、そのくぐり抜けを終えたキラ子は「あ~すっきりしたぁ」とでもいうように、さっさとハウスへ向かいました。
まじか。