脱皮後のキラ子は頭部がやや透明がかっていたように見えましたが、一夜明けてみると、色は濃くしっかりとなりました。妙におとなしかったのは、キラ子にとっての新しい体と新しい世界の序章だったからかもしれません。
それとシンクロするかのように、私も早朝に目が覚め、自分のものの見方が一変したのに驚きました。言うなれば、それは半分、死後の世界にいるような感覚です。見るものと自分との心理的距離がまったく違う。
新しい自分になるには、一度、小さな死を体験しなくてはなりません。
ひよこ隊は、地球温暖化が私たちに何かを教え、学ばせるというようなことを言いました。この、9月になっても蒸し暑く、ハリケーンや台風やゲリラ豪雨に見舞われる惑星に、私たちは今、グラウンディングしているのです。
グラウンディングしていながら、小さな死を体験する。丹田のエネルギーの劇的な変容を、人生で二、三度、体験する人もいる、とバーバラも述べていたかと思います。
だとすれば、ここ数日間のキラ子のように、半ば呆然とする状態があってもおかしくないでしょう。やつはカゴから二度、足を踏み外して落下していました。今日はもう大丈夫そうです。