新しい自分の作り方

BHSバーバラブレナンヒーリングサイエンス認定プラクティショナー/シカ・マッケンジーのブログ

勝者の名前

キッチンの窓にアリがいると思ったらキラ子でした。日が暮れるまで長い時間がある夏の午後、つまり白昼に堂々と、しかも私の目の高さで、キラ子は明るい外光を楽しんでいるかのように見えました。

 

――何を考えているんだ。ありえん。

 

私が知らないだけで、代々の隊員たちも同じことをしていたのかもしれません。でも、この暑さの中で、私が調理をしようものなら、そのエリアはかなりの高温になってしまいます。火を使いますから換気扇もONにします。今日は豚肉を、スパイシーなサルサを乗せてさっぱりと頂く予定なのです。

 

私は虫眼鏡を手に、少しの間、迷いました。今、そのガラス窓を開けてはじき落とせば、キラ子は外に出ることができる。それを望んでいるのか? そもそも、これはキラ子なのか、他の隊員なのか? 

 

 

――待てよ。これはキラ子じゃないかもしれない。

 

キラ子に比べて、体がやや黒っぽい気もしますが、光の加減かもしれません。迷いに迷った挙句、私はえいと、その幼い隊員をガラス容器で確保し、お狩り場の植木鉢に移動させました。

 

お狩り場に放って再度観察してみると、隊員はやはりメス。キラ子のようでした。もし、それがキラ子でないメスなら、いずれ両者で熾烈な縄張り争いが起き、勝者がこのエリアに残るでしょう。個体をいちいち識別できる自信がないので、勝ったメスをキラ子とすることにしました。キラ子、それは勝者の名前。

 

見ていると、キラ子は壁面に狙いを定め、瞬時にジャンプして移動しました。ピシィ! 着地の音が鳴るほどの、力強い跳躍です。

 

――なんというやつだ。

 

また一つ、キラ子伝説が生まれました。キッチンの窓で日光浴をしていたところを私に見つかって注意され、連れ戻されたという伝説です。