新しい自分の作り方

BHSバーバラブレナンヒーリングサイエンス認定プラクティショナー/シカ・マッケンジーのブログ

たいへん寂しい孤独な作業

釣りが趣味だという美容師さんに髪を切って頂きながら、「この暑さだと釣りはしんどいですよね?」と尋ねると、「いや、むしろ海の方が涼しいんですよ。暑いのは暑いんですが、都会のもわっとした暑さとは違う」。

 

意外なお答えでしたが、考えてみると確かに納得です。アスファルトやコンクリートに囲まれた街の環境というのは、人間にとって楽なようでいて、結構たいへんなのかもしれません。

 

海の近くに住むという選択肢は、ずいぶん前に一度考えたことがありました。アメリカの西海岸で、大きな海が一望できる高層アパートの内覧に行ったのです。それは爽快を通り越して、めまいがするような気分でした。

 

――これ全部、水だよね? 海の。

 

あまりに大量の水が、まるで絵に描かれたような青色で、音もなくそこにある。「大きな海に抱かれる」みたいな安心感とはまったく逆の、妙な怖さや不可思議さに襲われます。私は潜在的に不機嫌になったのか、変な発言をしてしまい、瞬時に夫婦げんかになったのでした。

 

私が好んで住む土地のタイプは決まっています。昔はアシやヨシが生えていたであろう種類の水辺の近くにできた街です。川が近くにあって、30~40分も歩けば浜辺に行ける。関西でも、関東でも、そういう街に部屋を借りて、結構長く住んでいます。

 

これはいったいどういう意味なのか? 自分の体質に合っているのか、前世に関係しているのだろうか? 調べてみると、「あぁ」と腑に落ちるものがすぐに見つかり、検索をやめました。

 

その検索結果とは。

 

どこで開いていてもそうだが、かつてのヨシ刈りは農
家にとってつらい仕事のひとつだった。冬の寒い時期に
水辺で行う活動であるし、また、たいへん寂しい孤独な
作業でもあったからである。近江八幡市の円山というと
ころで、老舗のヨシ生産業者である西川さんも、ヨシの
中に入ると「寂しい j と感じると書いている
2002)。(熊本大学 牧野厚史先生「琵琶湖岸のくらしと生物多様性」) 

 

たいへん寂しい孤独な作業……ヨシの中に入ると寂しい。

 

私はヨシ刈りをしたことがありませんが、あぁ、なんか、これ……と思いました。なぜかはわかりませんが、自分の中の奥底に親和性というか、しっくりくる何かを感じます。

 

人恋しい寂しさはなくて、ただ純粋に寂しさだけがある。これは、ものすごく興味深い感覚です。まもなくお盆ですし、ちょっと呼ばれているのかもしれません。