クモ隊は全員ぱったりと姿を消しました。3日間ほどは一つのエリアに滞在して狩りをし、とことこと歩いていくと次の日には出てこない。どこへ移動したかは謎です。おかげで室内はすっかり静かになりました。それはそれで、ほっとします。
涼しくなってきたので散歩も楽しくなりました。いつものバラ園を通りかかると、ひよこ隊は地面近くを漂いながら、鈴虫の音を愛でています。
「いろいろな りずむで おとをだしている」
確かに、個体のそれぞれが独自のタイミングで音を出しています。メロディーも違う。
ひよこ隊によると、秋には地中から地表の周波数が、がらりと変わるそうです。確かに、植物の生育状態も大きく変化します。バラはところどころ枯れたように茶色くなり、初夏にはぐんぐん伸びていた蔓もおとなしくなっています。地中の微生物や昆虫たちの動きや編成も秋モードになりつつあるのでしょう。確かに、それによって土の周波数は変化するだろう――そんなことを私はこれまで考えたことがありませんでした。
昨日は新月。ひよこ隊からのメッセージは「この ちいさな にわ（庭）でさえ かんぜんなるうちゅう」とのこと。
