毎日うちのインターホンを押す人たちがいます。黒い箱型のリュックを背負って自転車に乗り、スマホ片手に。どことは言いませんが、今風の出前。デリバリーサービスの人々です。
うちは頼んでません。隣の棟への配達が、すごい勢いでうちの棟の、私の部屋に来るのです。ヒーリングセッション中にそういうことがあっては困りますので、インターホンをOFFにしなくてはなりません。
この1~2年、丁寧に「お間違いですよ」「お隣の棟の入り口はわかりますか?」とご案内したり無視したりしていましたが、この前、ついにキレかけてしまいました。昼も夜もピンポン押されてしまったのです。
――これはもう我慢できない。
本当にキレる前に、マンションの管理会社さんに相談し、しばらく会話しました。誰が悪いんだ、ちゃんと住所を見てない配達員が悪いんだ、いや、スマホの位置情報がいまいち正確じゃないんだ、とか推理がありつつ、
「毎日ウーバー頼むって金持ちやなぁ」
「えっそうなんですか」
「だって1回の配達で何百円か取られるんですよ。それを毎日って、ウチだったらたまらないねぇ」
みたいな話があって。
これが生きてるってことなんだなぁ、と思いました。いやぁ生きるってこういうことだよ。