たまに1970年代の空気を感じたくなって動画を見ます。先週末からは1976年に放映の『赤い運命』(出演:山口百恵さん、宇津井健さん、三国連太郎さん、秋野暢子さん、南條豊さん他)にハマって見ていました。
今になってみると、驚くことばかりです。ストーリーの運びや映像編集に無駄がないし、キャラクター設定の奥が深い。戦後30年という時代背景があり、終盤は国民のトラウマに対する責任の所在、いかに国家が償えるのかという壮大な問いへと発展します。
過去に殺人を犯して17年間服役するも、いまだ心の傷が癒えずに荒くれた生活を送る男。組織に裏切られた過去があるために、目の前の人々を信頼することが難しい。内面に愛がわきあがる瞬間にはとろけるような笑顔を見せるが、孤独を感じると瞬時に鬼の形相になる。この男を演じる三国氏がすごすぎる。
感心しながら、私は「この人がクライアントとしてヒーリングに訪れたらどうする?」 と考えていました。
数回のセッションで劇的な変化が起こせるかもしれないし、何十回、何百回ものセッションが必要になるかもしれない。それはわかりません。それでもやるのか。できるのか。
軽い言い方をしてしまえば、ドラマの展開でも明らかに描かれているように「お父さんがまたやらかした」みたいなことの連続なのです。そのエネルギーの繰り返しに、どう変化と変容をもたらしていけるのか。
面白いことに、ドラマのストーリー展開では、それぞれのキャラクターの魂の成長度が浮き彫りになっています。すなわち、事実(真実)をどう受け入れるかという、その力です。
終盤に向かうにつれて、三国さん演じる男を囲む主要なキャラクターがみな、ヒーラーのような役割を担っていきます。