気密性の高いマンションでも、小さな虫は排気口から難なく入ってきます。今朝はお風呂場で、白いクモ隊隊員を発見しました。換気の穴から入って浴槽に落下し、滑って脱出できない様子です。
――困ったな。私はもう服を脱いでしまったし。
とりあえず、一時捕獲用の容器に入ってもらい、私は朝のシャワーを済ませました。ベランダには、ぴょこたん系の隊員用のプランター、通称「お狩り場」が置いてあります。
――どうせ外に出してもまた入ってくるだろうけど…。
私は白い隊員をベランダのお狩り場に放ちました。そして、見ていると。
白い隊員は土の上に降り立たず、土に差したスティックの裏に隠れています。あれれ、どこに行ったかなと思って探すと、少し離れた場所で糸を出し、風に揺られて飛びながらベランダの壁に着地。走って遠くへ行きました。
その理由は、プランターの内側に先客がいたからです。そこには幼いぴょこたん系(ハエトリグモ)の隊員が狩りのタイミングをうかがうかのように、じっと張り付いていました。
――ああ、この隊員を見て逃げたんだ。
彼らの世界は縄張り争いが熾烈。ここ数年の観察で、彼らがあわてて走っている時は危険に遭遇した時です。白い隊員とぴょこたん系とでは、体が大きい’(といっても小さいですが)ぴょこたん系が強い。
わずかな時間のお狩り場観察で、また私は彼らの賢さと機敏な反応に感心したのでした。