あれだけ大宴会をした翌日なのに、また夜8時になると隊員(ハエトリグモ、メス)が現れました。私が作った昆虫レストランは、もうシーズン終わりで成虫の在庫がありません。来年の春にはまた開店できるとしても、この冬をどう乗り越えていけばいいものか。
保温シートでくるまれたレストラン(ガラス容器)を遠くから見つめる隊員。これまでの観察によると、3日もすれば、あきらめて他のエリアへ行くだろうと思いますが。
いずれにしても冬が来ればお別れだな、と悲しく思っていると、隊員が床に降りてきて、突然サッカー選手のような動きでジグザグに走り始めました。
――か、狩りだ! 餌がいたんだ!
突如、ビタ止まりする隊員。
――か、確保したっ! 今、餌を!
何の虫がいたのか私にはわかりません。体長1mmもないやつだと思います。
東京は夜になって雨が降り始めました。静かに隊員を見守りながら、夜が更けていきます。
ところで「朝のクモは縁起がいい、夜のクモは殺せ」と言われているようですが、それは間違っていると思います。夕方から夜にかけて活動する害虫もいるので、このメスの隊員が夜8時に狩りをするのは非常によいことなのです。
昨夜の動きは見事でした。放っておけば木材や食物にダメージを与える小さな害虫を根絶やしにしたからです。やっぱりすごいぞ、クモ隊。