BBSHの3年生から4年生への進級はとても難しいものでした。身体やHEF(ヒューマン・エネルギー・フィールド。俗にいう"オーラ")を知覚するだけでなく、ハラ次元やコアスター次元へと自在に切り替えられるだけの基礎ができていないといけません。
難しい用語の説明は省きますが、とにかく……わけのわからない怒りや不満が私の中から噴き出し、あげくの果てには「宿題を提出するどころか、『これ以上遅れたらフロリダの教室には入れない』という土壇場までバックレる」という恐ろしい行為に及んだのです。
過去の記事にさらっと書いていますが↓ 3年生になって期日を守らないのはかなりヤバい系です。
私はこれまで翻訳者として、原稿の締切日をきちんと守って仕事をしてきました。ひどい風邪を引いたり、作業に手こずって頭痛や肩こりに悩まされたりした時は出版社や翻訳会社に「たぶん〇日(あるいは〇時間)遅れるかもしれません!」と早めに連絡をしていました。
「ほう、れん、そう(報告、連絡、相談)」がきっちりできる社会人だったんです。
BBSHの3年生を終えるにあたり、私が直面した課題。それは……
「ほうれんそう」よりも自分自身を優先できるか
…だったんだと思います。
責任感のある社会人として、これは本当に怖かったです。「ほうれんそう」しなくても世界はちゃんと存在し、私もちゃんと地面の上に立てている、ということを身をもって体験することが、どうしても必要でした。
そうしてこの前の6月、宿題を提出しないままフロリダに行くべく成田空港へ向かいました。空港内の書店で買ったのがこの本です↓
この本は執着を四つの章に分けて説いています。
1)「物」と「心」を捨てる(欲を手放す)
2)「意見」を捨てる
3)「儀式」を捨てる
4)「我論」を捨てる
難しそうですが、とてもやさしい語り口調で書かれています。また、ところどころに「でも、それだと人生が味気なくなりそうですが…」というような小さなセリフが挿入されていて、執着を持つ人たちの正直な気持ちを代弁(そして、それを読みながらめっちゃ頷く私)。煩悩を感じつつ、さらに次の項へと読み進めていけるのがありがたかったです。
ブッダが教える 執着の捨て方 (だいわ文庫 B 176-4)
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2017/10/12
- メディア: 文庫
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「ほうれんそう」はけっして悪いものではありません。むしろ、仕事を円滑にしてくれる。ポジティブなものです。
だけど、きちんと責任を果たしたい気持ちが、いつのまにか「こんなにきちんと連絡や相談をする私は偉いでしょう」「他の人たちに負けてはいけない」というような優劣の価値観が入り込み……そんなつもりはまったくなかったのに、自分を苦しめるネガティブなものになっていた。「私は信頼に足る翻訳者であるべき」「だからほうれんそうすべき」となれば、これは立派な執着です。
3年生の最後に、そんな自分を見つめることとなりました。時間厳守で行動しているのは、本当の自分なのか、何なのか。すごく、すごく突きつめました。
また、仏教が教える「執着」はエネルギーヒーリングでいう「ブロック」にも近いです。「今」のエネルギーは常に変化していますが、「執着」はその変化の流れをかたくなに押しとどめてしまうもの。
生きていれば、どうしたって執着、愛着がわいてしまうもの。しかし、それが逆に苦しみを生んでしまうのだ、とこの本は説いています。
がんばることと、がんばらないこと。好きになることと、普通でいること。私はそのあたりの境い目で、ずーっとうろうろしてきましたが、なんとなく自然体でいられるようになってきたと思います。
明日も実習セッション、がんばります。お待ちしていますね(^-^)