15年ほど前に脚本英訳で準備に携わらせて頂いた作品が本日、劇場公開となりました。伊藤俊也監督『日本独立』。
キャストの皆さまが素晴らしく、撮影も美術もロケーションも見ごたえがありました。実際の記録映像がドラマの部分と違和感なくつながっていて、臨場感もあります。
物語のメインはマッカーサー元帥率いるGHQと日本政府が戦後の日本国憲法を作るプロセス。アメリカにはアメリカの主張があり、日本側と合いません。お互いに相手に対してブチ切れ、徹夜で草稿作業をして全員フラフラに。
いったい何のための憲法よ? と滑稽にさえ思える(コメディ色はまったくありませんが)ところに、戦争で命を落とした日本兵たちの姿を克明に記した『戦艦大和ノ最期』の一節が重なります。あれは、何のための戦争だったのか、と痛烈に感じさせられます。
「国家のために」と力の限り憲法に向き合うものの、最後にはみな疲れ切り、人間として力の限界を思い知ります。国ってなんなの? みんな結局はただの人間だよね? というメッセージを感じさせるラストは水瓶座っぽい世界観かもしれません。監督も私も水瓶座です。土星が水瓶座に入った直後に封切りというのも…ね。
2020年12月18日より劇場公開中です↓