続報です。慎重に床の拭き掃除をしたところ、昨夜まで天井近くにいたクモ隊の隊員の死骸を発見しました。敷物のそばに落ちていたので、見つけづらかったようです。
死骸にセージの葉をふりかけ、ベランダで火葬しました。煙と共に青空へ上る、隊員の御霊です。
先日は自分が臨死体験をしたため、弔いの儀式の意義を新たに感じました。魂自体に明らかな死の認識はないかもしれず、旅を続けるであろうと思います。壮大なライフサイクル。
ひよこ隊に弔辞を依頼しました。
「きみが いのちを まっとうするために
この たいしゃ(隊舎)をえらび
ともに すごしてくれたことに かんしゃする!」
網があったエリアも清掃しました。隊員が張った糸はほとんどなく、積極的に餌を捕食する意図はなかったように思えます。自分の身を置く場だけを確保し、動かずに余生を過ごしていたのでしょう。
生き物が一生を終えるのを見て、初めてわかることがあります。寂しさで涙が出そうになりますが、それにまさるのは、ひよこ隊が言うとおり、感謝。遺灰はまだ台の上に安置してあります。光明真言を唱えて対峙すると、光の叡智にアクセスできる。
「かれらは すがたを かえ また やってくるだろう
むかえいれ ともに すごすことだ
ただ このたいしゃに しゅうようできる
かずであれば いいのだが」
そうですね。クモだらけになっても困りますので。
魂の旅を続けるクモ隊隊員の葬儀を終え、ベランダの端っこをふと見ると、デカいアブラゼミが腹ばいになっているのに気づきました。ちょ、また……日陰で休んでるだけであってほしいな。でも、そこで昇天するならば、お弔いはさせて頂きます。