苦みと甘みが濃厚なコーヒー豆を求めて、あるお店に立ち寄りました。酸味がない豆。
試飲まで薦めて頂き、試したところめっちゃ苦い。よし、この苦みなら、と思って挽いて頂いた後に事件が起きました。私が差し出したクーポン券が、うまく決済処理できない。アルバイトらしき若いお姉さんが何度もトライするが、そのたびにエラー。
――しんどそうだな。
無表情なお姉さんの肩は緊張でこわばり、頭にくっつくかと思われるほど上がっています。ヒーリングが必要な案件。
私は深く息を吐いてグラウンディングし、バッグにしまいかけていた商品をカウンターに戻すと「ゆっくりして下さい。他の売り場を見て回って、また戻ってきますから」と声をかけましたが、返答なし。お姉さんは冷静にテンパっています。
さらにまずいことに、私の後ろに年配のご夫婦がお会計を待ち始めました。このご夫婦も妙に無表情。間に挟まれた私は申し訳なくなり、ついにご夫婦にも声をかけました。
「すみませんね。お時間は大丈夫ですか? 私がややこしいことをしてしまったので」
するとご夫婦はぎょっとしたように私を見て、かすかにうなずくでもなく、何もなく。
――何があったんだ、この地域には?
もしかしたら、その都市ごとヒーリングが必要なのかもしれません。ものすごく厳しく育てられた人たちが、ある程度の割合でいそうです。それとも、この珈琲店が、そういう厳格な人たちを引き寄せるのでしょうか?
私は他の売り場を見てまわり、戻ってくると怖そうな店長が決済処理をしてくれて、アルバイトのお姉さんは怯えたようなオーラで無言。そして、受け取った商品を帰宅してみると、
――あれ? ドリップバッグを追加で5つ購入したはずなのに、3つしか入っていない。
――えええ…(´Д`)
ネガティブなエネルギーをかすかにまとってしまった珈琲豆をどうするか、私はちょっと思案しました。
――さっさと飲んでしまおう。
パッケージを開けて淹れてみると、めちゃくちゃおいしかったです。
モノとヒトのエネルギーのギャップに戸惑いますが、また注文しようかな。今度は通販で。