「ひよこ隊から返答がない」と書いたからでしょうか。今日、買い物をしに外に出ると、突然、ひよこ隊が話し始めました。
駅前の花壇を私が見た途端に「さきほこる ひなぎく!」。まあ、これはいいとして。
問題は次です。
「かつどん!」
「きゅうりの つけもの!」
「しゃけべんとう!」
「すし!」
「なると! らーめん!」
怒涛のように、食べ物の名前が繰り出されます。どうやら、ひよこ隊は、道を歩く人々が何を食べたかを言っているようでした。
そんなことは、別に知りたくありません。知らない人々に対して失礼ですし、彼らの声が本当に真実を言い当てているか、確認のしようがありません。ちなみに、キュウリの漬物だったのは、細身の老婦人でした。
しかし、身体の外見から、その人が何を好んで食べているかは、ひよこ隊に言われなくてもおおむね見当がつくのではないでしょうか。私もBBSH在学時、クラスメイトに結構、食生活のことを言い当てられました。逆に、私もクラスメイトについて、言い当てたものがあったかもしれません。2年生あたりになると、実にいろいろなものが知覚できるようになってきます。
買い物の帰り道、学生さんらしい男性とすれ違いました。ひよこ隊は何を言うのか、と思った瞬間、
「かつかれー! かつかれー! かつかれー!」
――カツカレー。
それは、確かに、心躍るメニューです。カレーだけでもおいしいのに、カツが乗ってる。