たとえば、こんなことが私たちにも起きているのでしょうか。
「私は何年もかけて、ある目標を目指して待ち続け、努力し続けた。目標の間近にたどり着き、あとは成果を得るだけ、というところまで来た。
手を伸ばして、つかみ取る。緊張とワクワクに満ちた時。私は飛びつく。届かない。もう一度、飛びつく。見えているのに、届かない。なぜ? 私の何が間違っているの? やり方がまずいのだろうか。考える。待てばどうにかなるのか? わからない。それは、すぐ目の前にあるのに。
突然、世界ががらがらと崩れた。わけのわからない力が押し寄せてきて、私は何もかも捨てて逃げた。
あれはいったい、何だったのだろう? 私は怖い。ただ、身の危険を感じる」
……これが昨夜のクモ隊隊員(ハエトリグモ、メス)に起きてしまったであろうことです。ガラス容器の中に餌がいることを朝から察知していた隊員は、昼から何度も下見をして、夕方過ぎから見張りをし、じりじりと近づいてきていました。
私の失敗は、保温バッグの中に2つのガラス容器を入れていたことです。ひとつは「バナナ班」。もうひとつは「マシュマロ班」。
これ以上、事件の顛末を書いてもいいでしょうか? ちょっと私もショックを受けており、ひたすら自分のフィールドを整えて隊員の帰還を待つ状態です。
続きます。