なんということでしょう。私としたことが、いつの間にか手が滑ってamazon.comのワンクリックオーダーをしてしまいました。キンドル怖い。この本が自分のライブラリに入ってしまいました。『Haunted Virginia(幽霊が出るヴァージニア)』↓
どんな呪い? 返金リクエストをするのも何故か怖くて、読むことにしました。
本当は、元・義母の家で見つけた古くて薄いペーパーバックの怪談集を探していたのです。自費出版かもしれないその本には、ヴァージニア州の「ご当地」の怪談小噺が20個ほど、挿絵と共に集められていました。
自分たちの居場所からそう遠くない町で目撃された怪現象の数々。その「ご当地」感に私と元・旦那はワクワクし、何度も朗読しては「あの町の、どの家だろうね」と話し合いました。
中でも「A Cat's Body with a Human's Head」という話は大のお気に入りでした。「猫の身体に人間の頭」という意味なので、いわば「人面猫」です。ある家の柵の上をふと見たら、人間の顔をしたネコがいた、というだけの話。でも、柵の上の人面猫の挿絵があまりに気持ち悪く、何度見ても笑ってしまいます。
それからしばらく、私は夜更けに退屈すると、野太い声で「ア・キャッツバァディ・ウィザヒューマンズ・ヘーッ」とつぶやいていました(だから今でも覚えています)。しんと静まり返った田舎の家で「あ、じんめんねこぉ」とオッサンのような声を出す嫁。その唐突さに笑い転げる夫。
確か、そういえばあの義母の家も、なんだかいわく付きだったかも。閉めていたはずのドアが開いていたとか、何か事件があった気がしますが、怪奇現象かどうかは定かではありません。
思い出しているうちに、どうしてもあの「人面猫」の本を再び手に取ってみたくなりました。中学高校の英語の教科書があれだったらよかったのにと思うほどです。そこでアマゾンを検索していて、違う本を注文してしまいました。
――これこそ怪奇現象じゃん?
ただ、こういう本は、古い紙の本でなくてはいけません。その方が怖い。1970年代、80年代頃の本などは、当時読まれていた紙の本というだけでもパワーが違います。