今日もご近所の薔薇を見に行きました。四つ角に面しているのは深紅の薔薇。あの満月の夜に月と向き合っていた花たちで、今日は満開のピークを超えてなお、開き続けています。
フェンス沿いに歩いていくと、クリーム色やピンクの後発隊が次々とつぼみを開かせています。こうして開花の時期がわずかにズレることで、通行人である私は長い間、薔薇を楽しめるのでした。
辻麻里子さんの小説『宇宙の羅針盤』下巻49ページに、こんなくだりがあります。
「……バラの花は、どうしてこんなに美しいのですか?」
主人公が問いかけると、こんな答えが返ってきます。
「美の基準は人それぞれですが、この宇宙には普遍的な角度というものがあります」
「普遍的な…角度?」マヤは思わず、自分の耳を疑っていた。
「バラの花がなぜ美しく見えるかといえば、そこに普遍的な角度が隠されているからです。その普遍的な角度とは、約137度。厳密には137.51度です」
この小説の本を、私はシリーズで揃えて持っていますが、こんな感じで幾何学の話がたくさん出てきます。数学が苦手な私にはキツい。でも、このバラのくだりは、すごく好きでした。
そういえば、この前、ひよこ隊はクモの巣を見て「しんせいなる きかがく!」って言っていたぞと思い出しました。それは、バーバラ・ブレナンが言う生体エネルギーフィールドではオーラの第5レベルの領域です。
第5レベルは現実のテンプレート。写真のネガのようになっている。それは宇宙の設計図。クモたちも、設計どおりに網を作っているのです。
薔薇の花びらも設計図どおり。蜂の巣も、設計図どおり。
私もひよこ隊の真似をして「どうだろう、自分の身の周りを、蜂の巣のように六角形の構造物で囲んでみるというのは?」とやってみたところ、右肩のあたりで
「なにを しているんだ!」
ひよこ隊の声がしました。調べてみると、ハニカム構造と呼ばれる蜂の巣の六角形の内角は120度。薔薇が137度だと書いているのに、きみはなぜ六角形の話をするのかということでしょう。やはり、私は数学が苦手です。かなり。