新しい自分の作り方

BHSバーバラブレナンヒーリングサイエンス認定プラクティショナー/シカ・マッケンジーのブログ

介護施設で(3)

書き忘れていたことを思い出しました。ある大規模施設を訪問した時の出来事です。

 

いろいろな職員さん、ヘルパーさんたちが働いていました。見るからに優しそうな男性や、キャリアが長そうな落ち着いた女性の方々。皆さん、それぞれの担当を忙しく、かつ、しっかりとこなしていらっしゃるようでした。

 

その中で、一人だけ、とても目立つ人がいました。なぜ目立つかというと……どうしてここに、と意外に感じてしまうほどのイケメンさん。背はすらりと高く、顔立ちは整い、カメラ映りがよさそうな美男です。芸能界からスカウトされてもおかしくない。

 

彼が私の目を引いた理由は、もう一つありました。とても、なんというか、いやそうに、かったるそうに仕事をなさっていたのです。

 

どうして、介護のお仕事をしているんだろう? つらいのかな。なんだかわからないけれど、不満がいっぱいたまっていそうです。身体の動作も、表情も、「え、この人、大丈夫なの?」と心配になるほど投げやりな感じです。怒っているのか、何なのか……

 

 

私は心配な気持ちを自分で抱えているのがつらくなり、彼に声をかけました。

 

 

「お疲れさまです。すごく素敵なイケメンさんだなって思って、びっくりしましたよ。ありがとうございます、頑張ってくださいね」

 

 

自分でも驚くぐらい、するすると、そのナンパじみた言葉が出てきた、その後。

 

 

彼は不愛想な顔を少し歪めて笑顔になり、無言で軽く頭を下げ、去っていきました。

 

 

目で追っていくと、彼はバケツを持って、おむつなどの回収へ。その動きは、まるで別人かと思えるほどどキビキビと、しっかりしていました。身体の軸はすっと落ち着き、地に足がついたように見えます。

 

 

「誰かが僕を見てくれていたんだ」という彼の心の声が伝わってくるような。なんだか大切なことを見つけたような気がして、私も嬉しくなりました。