新しい自分の作り方

BHSバーバラブレナンヒーリングサイエンス認定プラクティショナー/シカ・マッケンジーのブログ

母を呼ぶ声

夕暮れどき、マンションの下から小さなお子さんの叫び声が聞こえてきました。うちの階下には飲食店や雑貨屋さんがあり、ちょっとした空間があります。音を出せば結構響くスペースです。

 

 

それは耳に焼きつくような叫び声。泣きじゃくり、腹の底からふり絞られるその声は、こう繰り返し絶叫していました。

 

 

お母さん!

お母さん!

お母さん!

お母さん!

お母さーーーん!!!!

ぎゃあああああ!!!!!!

お母さーーーーーーーーーーーん!!!!!!!

 

 

きっとその子は珍しい場所でよそ見でもしていたのでしょう。ふと気づくとお母さんの姿が視界から消えている。置き去りにされたように思い込んだのだと思います。

 

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 みんな、一度は経験してるよね。迷子になった時の恐怖体験。

 

 

で、小さい子の泣き声を聞くたび思うんです。これ、子供のやわらかな脳に強烈に刻み込まれる可能性も十分にあるんだろうなって。いわゆるトラウマ的に。

 

 

シチュエーションとしては大抵、笑い話で済むでしょう。お母さんが戻って来て「あらあら、どうしたの。ママはここよ」と笑うと子供も安心し、泣いたことは成長と共に忘れてしまう。あとは「迷子になった時の思い出話」として面白く語れるようになる。

 

 

でも、あの絶叫は笑い話どころでは済まされません。名だたる名優に「自分の存在全てをかけて叫んでみて」と頼んでも、あの幼児の声の迫力にはそうそう勝てないんじゃないかと思います。

 

 

自力で生きる力がない幼児にとって、世話をする大人が自分から離れていくのはとてつもない恐怖です。

 

 

みんな、どうやって乗り越えるんだろ?

 

 

もしかして、心の奥深くに埋もれさせたままだったりして?

 

 

友達ができない、恋愛や結婚生活がうまくいかない、嫁や婿や孫たちとどう接していいかわからない――いろんな問題が顔を出した時、その裏の裏、奥の奥にはあの絶叫に似たものが隠れているかもしれません。その隠れたものが発する声は、たとえば

 

 

私は捨てられたんだ、だからこれからも大好きな人に捨てられて当然、とか

 

 

信じる人に捨てられるのがこんなに怖いのなら、もう誰も信じるもんか、とか……

 

 

そんな馬鹿な、ね。迷子になった思い出なんて忘れちゃったよ。って、ほんとにそうかな。どうしようもなく行き詰った時、訪ねてみたい原点の一つに「母を呼ぶ声」があるんじゃないかと思います。 

 

 

※本日の画像は「Crystal Tarot」より「太陽」のカード。おさなごのように繊細な心、明るく育てたいですよね。大人になってからでもね。

 

Crystal Tarot (Lo Scarabeo Decks)